神戸の街にいた。
先日行ったばかりのビルの地下街。わたしは喫茶店を探していた。場所が分からず、店内の地図と、実際のお店の並びを見比べていた。わたしの左にいた男性が、目の前の女性店員に、何かを尋ねた。その尋ねた先が、わたしの探していた喫茶店だった。
わたしは、ラッキー♪と思いながら、お店の中を左の方に歩いていった。先日来たばかりではあったが、まだ知らない通路があって、そのカーブした通路の奥に喫茶店は見つかった。こんなところにまだお店があったんだぁ、と不思議に思った。店の左側には上階に上がる階段があって、”あ〜、この間、この階段を降りてくれば、ここに着いたんだぁ”、と気づいた。
わたしはその喫茶店で母と待ち合わせをしていた。喫茶店の前にメニューのディスプレイがあったので、何を注文しようか、ガラスケースの中をゆっくり見回した。ケーキや赤い果物のペーストの載ったパイ、ケーキに飾るマジパンでできた薄茶色のお花、パイを固く焼いたというクッキー。小さなひょうたんのような形をしたビスケット。
どれにしようか決めかねていたら、グランマの気配がした。グランマはよそ行きのお洒落をしていて、誰かと待ち合わせをしているんだな、と思った。ひょっとしてグランマも母と待ち合わせをしているのかな?と思ったが、別のお店に向かう大きな階段を昇っていってしまったので、声を掛けそびれてしまった。でも、もしかしたらグランマも、わたしがここにいることを気づいているかも、とも思った。
ガラスケースの中を見ているふりをしながら、なんとなくグランマのことを気に掛けていたら、少しして、やはりグランマが階段を降りてきて、わたしを見つけて、お財布を開けてお札を取り出した。あ、この間お墓参りに行ったからかな?とその瞬間思った。
グランマはわたし左に立って、階段を昇り始めた。わたしはグランマに、 “今日はお呼ばれですか?”と聞いてみた。聞きながら、グランマの横顔を改めて見たら、グランマではないおばあちゃんだった。けれどわたしは驚かなかった。その人をわたしのグランマだと認識していたから。
おばあちゃんは、髪の毛も薄くなる程のシワシワの老女だった。けれど、その薄くなった頭を、キラキラ光るアクセサリーやシフォンのスカーフで綺麗に飾っていた。豪華で高貴なドレスも着ていた。なんだか三輪明宏さんみたいなだなぁ、と思った。
先程の質問におばあちゃんは答えてくれた。”お客様に会いにいくの”。お客様?どういうことだろう、とよくよく聞いてみると、おばあちゃんはヒーラーの仕事をしているようだった。わたしも知っているある先生に手を握ってもらったら、それから突然ヒーリングの能力が花開いて、お仕事を始めた、ということらしい。まるで、わたしになら分かるでしょ?とでも言うような話ぶりだった。
けれど、まだ始めたばかりのお仕事だから、お友達を中心に、お小遣い程度の料金を頂戴しているだけなの、とにこにこ笑いながら言っていた。おばあちゃんは、とても生き生きとして、楽しそうにわたしに話を聞かせてくれた。シワシワのおばあちゃんだけど、とても美しいと思った。
やがて、階段を上がったホールに着くと、吹き上げになった踊り場のような場所の手すりに、わたしの方を向いて寄りかかり、おばあちゃんはわたしの左手を握ってくれた。ほら、皆さんにこうやってして差し上げるの、わたしの手、温かいでしょう?とわたしの手を揉みながら、おばあちゃんは言った。
おばあちゃんの手が真っ直ぐにわたしの手に伸びて、掌におばあちゃんのエネルギーを感じて、ああ、繋がってるな、と思った。そしてわたしの左手が、掌から腕にかけて、徐々に徐々に温かくなっていくのを感じた。
ああ、おばあちゃん、確か、わたしと一緒で、海王星と月のオポ持っているんだもんなぁ、やっぱりこういう能力持っていたんだなぁ、とその時思っていた。
とりあえず、忘れてしまわないうちにメモ。
あとで、自分なりに解釈してみます、思うところ、いっぱいあるので。。。