ぴよ子とはその場で仲直りしたのですが、だからといって、わたしがしばらく続けてきてしまっていた悪癖がすぐに改善するハズもなく、それからしばらくして、ある朝、またぴよ子とくだらない意地の張り合いで、大げんかをしてしまいました。
ぴよ子が生意気なことを言うので、わたしも頭にきて、そんなこと言うなら、今日はお弁当作らないから!と言い放って、寝室に閉じこもったのです。わたしは、なんとしてでも、ぴよ子に謝らせたかったので、下から聞こえてくるぴよ子の声や様子を伺いつつ、謝ったらお弁当を作ってあげよう、などと、冷蔵庫の中身を思い浮かべながら、献立などを考えていたのでした。
ところがいくら待ってもぴよ子が寝室に上がってくる気配がないのです。よくよく耳を澄ませると、お義母さんがぴよ子に心配させないように気を利かせて、お弁当は後で持っていくから、とか声をかけて、園に送り出す様子でした。
わたしは、え??何??余計なこと言わなくて、いいのに、これはぴよ子とあたしの問題なのに、、、とフォローをしてくれていたお義母さんに頭が来てしまい、旦那がぴよ子を送ってくれた頃を見計らい、下に降りて、おかあさんに、あんな風にしてくれなくてよかった、これはあたしとぴよ子の問題だから、と言い放ったのでした。
お義母さんはお義母さんで、ぴよ子からは何の経緯も聞いていなかったようで、最初はわたしが単に寝坊してお弁当を作るのをさぼったと思っていて、それで怒って、ぴよ子に心配かけないように、ぴよ子を安心させるような言葉をかけてあげていて
くれていたようだったのです。
それでも、わたしが、ぴよ子が謝りにくれば、お弁当を作ろうと思っていた、と言い返したら、謝りに行けないような育て方してるからでしょ、あなたのやり方は幼児虐待だよ、と厳しい口調で言い放たれてしまったのでした。
ほんの数日前、自分の叱り方がエスカレートしているのが心配、とお義母さんに相談して、平気だよ、って慰めてもらったばかりだったのに、そのお義母さんに、そんな事を言われてしまい、わたしはパニックを起こしてしまいました。そして、言葉にならない大声を張り上げて、その場で泣き崩れてしまったのです。
何も考えられなくなってしまい、放心状態で泣き続けました。そこにぴよ子を園に送ってきてくれた旦那が帰ってきて、事態の異様さに、ただならぬ気配を感じた様子で、わたしを構いにきてくれました。
それで、わたしはやっとの思いで、心の底に溜まっていた思いの丈を、絞り出すように、吐き出したのでした。実はその頃、旦那の仕事が忙しく、3ヶ月以上、一日も休みがとれず、明け方家に帰ってきては、ベッドに転がり込み、起きて昼過ぎには仕事にむかってしまう、という生活がずっと続いていたのでした。
折り悪く、子供たちが風邪を引くシーズンで、毎週毎週病院に通うような日々が何ヶ月も続き、看病疲れもあり、わたしはくたくたになっていたのです。
旦那に、休みの日はないの?と聞いても、仕事の事で頭がいっぱいの旦那には、ボロボロになっていたわたしの様子すら、面倒なことのようにしか映っていなかったらしく、わたしが追い込まれていることに、気づこうとしなかったようでした。ただ疲れて帰ってきても、わたしが不機嫌なことに逆にイライラしていたようで、しょっちゅう喧嘩して、いやな雰囲気になっていました。
ストレスが溜まっているようなことには、きっと気づいていたのでしょうが、わたしがここまで追い込まれていることには気付かなかったらしく、事態の深刻さに気づいて、驚いた様子でした。その日と、その翌日、旦那は仕事を休んで、わたしの側にずっといてくれました。それだけで、どれだけわたしの気持ちが楽になったことか、どれだけ安心できたことか、、、。
しばらくして、これは心の病かもしれないから、と思い、以前Akademeiaで心理カウンセリングの授業をとってお世話になっていた、藤原先生に、カウンセリングにかかった方がいいのか、カウンセリングにかかるなら、どこかいいクリニックを紹介して頂けないか、とメールを送ってみました。
先生からは、本人が辛いと思うなら、カウンセリングを受けてみるのも、1つの手段だと思う、ただ、受けるなら、カウンセラーをしっかり見極めた方がいいし、相性によっては、受けない方がよかったという事態になる可能性は否定できない、というような主旨のお返事を頂きました。
それを読んでから、わたしは改めて旦那に相談をしてみました。一度、カウンセリングを受けに行こうかな、って考えてる、と。
前々から、依存症の癖があることや、プチ鬱のような症状を自覚していて、以前にも、旦那にそんな相談を持ちかけたことがあったのですが、薬を処方されるだけだよ、止めておきな、とわたしの身を案じて反対されていたのです。でも、今度こそ本当にやばいかも、と思って相談してみたのでした。
すると。僕ですら知らないような、何か別のすごいモノが引き出されてしまうかもしれないから、やっぱり止めておいた方がいいよ、と反対されたのでした。
確かに、まだまだ手の掛かる子供を抱えてる今の状況で、そんなわけの分からないものを掘り出してしまって、それを解消するのに、何年も時間をかけなきゃいけないような事態にでもなったら大変だし、もともと、薬を使っての治療にも疑問を持っていたので、結局クリニックにかかることは断念しました。
それからもしばらくは旦那の繁忙期が続いたのですが、必ず週に1日は休みを取ってくれるように気をつけてくれるようになりました。わたしも、子供とのこともあり、それからもしばらくは情緒不安定な状態が続いたのですが、それでもなんとかAkademeiaには通い続け、帰りにはお茶をしたり、お酒の席に顔を出したりと、外で発散するように心がけるようにしました。
色々な人がいて、色々な立場で、子育ての悩みに意見をくれるのも、とてもいいリハビリになっていったのでした。