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ドラゴンヘッド/ドラゴンテイル(ノースノード/サウスノード)解説【歴史編】

Lunar North Node South Node

歴史解説 ドラゴンヘッド / ドラゴンテイル

龍の頭

図➀【caput draconis カプ・ドラコニス】(Dragon’s Head / 龍の頭)
from Astronomicum Caesareum Peter Apian/Petrus Apianus/ペトルス・アピアヌス

Astronomicum Caesareum(アストロノミカム・セザラム/皇帝天文学)は1540年、ドイツの学者ペトルス・アピアヌスが時の神聖ローマ皇帝カール5世に献上するために制作した豪華な天文学書。

アピアヌスは月の食に大変興味を持ち、研究していた。この本の中でも食の現象や仕組みについての詳細な解説を、何ページ分にも割いている。

図➀は、アストロノミカム・セザラムの中で、月食と日食の仕組みを分かりやすく天文版にした仕掛け絵。右のページで日食が起こる日を予測することができ、左のページでは皆既月食と部分月食を予測することができる。

龍の挿図は、古代には日食と月食が「龍の頭」【caput draconis カプ・ドラコニス(ラテン語)】と「龍のしっぽ」【cauda draconis カウダ・ドラコニス(ラテン語) 】が起こしていると信じられていたことに由来する。

人類最初の占星術発祥の地・シュメール人とメソポタミア

古代の占星学は天文学と区別なく発展しました。占星術発祥の地であると考えられている中近東では、すでに紀元前18世紀〜紀元前16世紀のバビロン第一王朝の時代に、「食」の現象について、不吉な予兆として楔形文字で記録が残されています。

ティグリス川、ユーフラテス川に挟まれたメソポタミア地方に最初に登場するのが、メソポタミア文明の出発となるシュメール人およびシュメール文明です。

ドラゴンヘッドとドラゴンテイルについてはインド占星術で発展したことが知られていますが、占星術発祥の地であるメソポタミア地方で紀元前4千年から4,000年以上に渡って、何代もの文明に支配的な影響力を持ち続けた多神教の宗教の「メソポタミア神話」にも龍が登場します。

メソポタミア神話の中では原初の海の女神で、この世界を生み出した創造神である「ティアマト」が、巨大な「龍」の姿をしていたと信じられていました。

このようにノースノード/サウスノードの2つの交点は、太陽と月という太古の昔から人類にとって最も親しい存在である星が空から姿を消すという、不吉な予兆である「日食」と「月食」に関連することから、世界各地の「龍」伝説と結びついていたようです。

占星術の分岐と再編

メソポタミアで生まれた占星術は、天体たちが起こす自然現象を予兆として捉えて、メソポタミア神話の世界観に基づいてその現象を解くというものでした。紀元前7世紀のアッシリア時代までは「予兆」を観測するものとして発展していった占星術でしたが、徐々に人々は関心を失っていきます。

この頃、この「予兆」を捉える原始的な自然占星術はエジプト、ギリシャ、インドなどに伝播されます。

その後メソポタミア地方では、紀元前4世紀終わり頃ペルシャに台頭したアケメネス朝の時代に入り、観測したデータを積み上げて未来に起こりうる現象を予測する、より正確で科学的な占星術が始まりました。

インドに渡った自然占星術

インダス渓谷を占領したアケメネス朝によりインドに伝わった原始的なメソポタミアの占星術は、仏教の経典の中に織り込まれ、仏教の僧侶と共に中央アジアから日本も含めた東南アジアへと広まりました。

サンスクリット語に訳されたメソポタミア占星術は、素材はそのままに、紀元前1世紀頃には、インドの思想に適応した占星術へと姿を変えました。

初期のサンスクリット語の書からは、インドでは占星術が「軍事」と「成功法」に結び付けられていったことが見てとれます。

その後、2世紀から3世紀にかけて、ヘレニズム時代のギリシャの占星術がサンスクリット語に訳されて流入されます。インド占星術は技術的にはヘレニズムの影響が見られますが、ここでもヘレニズムの哲学や思想は抜き取られインドの思想や神話が織り込まれて体系が成されていきます。

インド占星術の中でもドラゴンヘッドは「ラーフ」という龍、ドラゴンテイルは「ケトゥ」というラーフの胴体として、インド神話に登場する龍が組み込まれました。また、「ラーフ」と「ケートゥ」は2つの「架空の星」と位置づけられています。

再び中近東に集約される

226年、アルダシール1世がササン朝を興してから間もなく、このイラン帝国にギリシャとインド両国の占星術が伝わりました。元々のアケメネス朝時代の科学が消滅してしまっていたため、ヘレニズムの模倣であったこの地方の占星術はこの後ササン朝の科学として発展します。

8世紀から9世紀にかけて今度はイスラム文明に、ギリシャ、インド、ササン朝ペルシアから同時に占星術がもたらされました。ヘレニズム科学はギリシャとシリアからアラビア語に訳され、そしてアケメネス朝とササン朝の科学は、インド占星術を経由してサンスクリット語から訳されました。

ここから高度に発達したイスラム占星術は、ビザンチン(東ローマ帝国)、インドと西方ラテン世界に広まっていきますが、13世紀にモンゴルの侵攻を受けたイスラム圏では勢いを失いました。

ビザンチンからルネッサンスへ

5世紀から6世紀にかけて異教徒の急増を受けつつも、東ローマ帝国も多くの占星術師たちを輩出しましたが、6世紀の終わりにはビザンチン帝国の衰退とともに科学的な占星術は消滅しました。他方、古来の予兆を捉える自然占星術は西方のヨーロッパ同様、人々の慣習の中に生き続けていました。

8世紀終わり頃から、シリア語及びアラビア語からの翻訳で再び東ローマに科学がもたらされましたが、800年から1,200年頃までは以前のビザンチン帝国時代の占星術以上の発展はみられませんでした。

12世紀から13世紀にかけて、西ヨーロッパではギリシャの知識はすっかり消滅しましたが、スペインとシシリーでは膨大な量のアラビアの占星学と天文学の論文と、わずかながらもギリシャ語からラテン語へ、論文の翻訳を継続していました。

その後14世紀に入り古代ギリシャの占星術の論文が改訂されると、イスラム占星術とヘレニズムの源流の占星術が掛け合わされ、さらには新プラトン主義とヘルメス主義とも結合して、15世紀から16世紀のルネッサンス期の西ヨーロッパに開花したのでした。

天動説から地動説へ

17世紀に入り、コペルニクスやガリレオ、ケプラーといった天文学者たちが「地球中心の宇宙」を新しい天文学へと組み替えました。そして、デカルトやニュートンの登場により機械物理学が台頭すると、占星学は天文学の一翼を担った自然科学としての役割を終えました。

現代の西洋占星術に組み込まれたドラゴンヘッドとドラゴンテイル

星の位相や現象が起こす予兆を捉えていた「占い」から始まった占星術がやがて占星学として科学的な天文学の一翼へと発展し、今度は近代科学の台頭と入れ替わりに、天文学から切り離された時、占星学の地位は失墜したと世間には受け止められました。

科学の発展に貢献した占星術が、科学から切り離された後に辿り着いたのは「オカルティズム」いわゆる神秘世界や「スピリチュアリズム」、つまり精神世界でした。

これらの世界は太古の昔のシャーマニズムが息づく領域です。シャーマンたちは自然界と繋がり、神や見えない存在たちに祈りを捧げながら、薬草を使って治療を行ったり、儀式を通じて悪霊を祓って正気を取り戻させたり、部族の相談役としてカウンセリングを行ったり。

シャーマンとは、現代においては学術的な高度な専門知識を必要とする多岐にわたるジャンルのスキルを身に付け、一手に引き受けていた賢者たちでした。

近代以降の科学が否定した「見えない世界」「精神世界」という領域は、実は科学がまだ追いついていないだけで、科学的な説明や証明はできないけれど、否定しきれるものではないのではないか、という認識が徐々に広まっていく中で、西洋占星術も、現代を生きるシャーマンたちの教養として必須項目ではないかと感じています。

その中でも、ドラゴンヘッド(ノースノード)/ドラゴンテイル(サウスノード)は、ずばり、わたし達の「魂」の領域を扱う感受点です。長い間西洋文明圏では「輪廻転生」の概念が否定されてたので、ドラゴンヘッドとドラゴンテイルの世界観も相容れるものではなかったのでしょう。

けれど、18世紀から19世紀にかけて興隆したニューエイジやオカルティズムのムーブメントは「キリスト教会」が主張してきた輪廻転生の起こらない世界観に、仏教を始めとする東洋思想を紹介しました。

もともと占星術の重要な一部であった月の交点(ノード)が、インドに渡って輪廻転生する「魂」を扱う重要な「星」として高度に発達した後に、イスラム圏を通じて再び西洋文化が迎え入れることとなったのも、必然的な流れだったのではないかと感じます。

目に見えない星たちは、目に見えないエリアを司る

近代科学の発達は、それまで肉眼で観測されていた7天体に加えて、土星より向こうにある、肉眼では見ることのできなかった「天王星」「海王星」「冥王星」という惑星たちを西洋占星術の世界にも紹介してくれました。

西洋占星術の世界では「トランスサタニアン(土星を超えた)」3つの天体たちを、より宇宙的、より精神世界的、より上層の領域を司る星と位置づけました。

1970年代に入ると、今度は土星と天王星の間に、カイロンという小惑星が発見され、これは「トラウマ」という心理学が扱ってきたトピックの「ヒーリング」を司る星として、西洋占星術に取り入れられました。

科学の発達とともに、非科学的だとされてきた「見えない」領域に光が当たるようになっていったのは、とても興味深いパラドックスだと感じます。

現在のムーブメントに繋がる始めの一投

1997年にアメリカで出版され、2000年に日本でも翻訳本が発刊となったアメリカの占星術師ジャン・スピラー著の【前世ソウルリーディング―あなたの魂はどこから来たのか】の中で、著者の長年の実践研究による「ドラゴンヘッド」と「ドラゴンテイル」の膨大な検証データが紹介されます。

ちなみにジャン・スピラーの原書の中では
Lunar Nodes (ルナーノード 月の交点)
North Node (ノースノード 昇交点)
South Node (サウスノード 降交点)
という用語で執筆されています。

日本語で初版が出版された時代、すでに西洋占星術の世界では「ドラゴンヘッド」「ドラゴンテイル」という用語が専門書の中などでも紹介されて流通していたので、翻訳した際に充てられたのだと推察されます。

空前のスピリチュアル・ブームの流れに乗って

2000年というミレニアムのタイミングで日本に紹介され、2002年11月には『第一回スピリチュアルコンベンション』が開催、その翌年には『えぐら開運堂』、そして2005年からは『オーラの泉』といったテレビ番組が火付け役となり、一挙にスピリチュアルブームが巻き起こりました。

これは1995年のオーム真理教による地下鉄サリン事件を皮切りに宗教に対する拒絶反応が起こっていた日本に、宗教を介さない目に見えない不思議な世界へのアプローチとして、先に西洋世界でブームが起こっていたスピリチュアルムーブメントが紹介された形でした。

「魂」を扱う感受点として、ジャン・スピラー女史のドラゴンヘッドとドラゴンテイルの考察が日本に伝播されたタイミングがどれだけ絶妙で重要だったのかが見えてきます。

こうして、現代西洋占星術へのドラゴンヘッド(ノースノード)とドラゴンテイル(サウスノード)の本格的な導入により、ホロスコープの中で扱われる天体たちは
・太陽から土星までの7天体
・天王星、海王星、冥王星の3天体
・小惑星カイロンと、2つのノード、計3つ
「目に見える物質界」に属する7天体と「目に見えない精神世界」を司る6要素という、ほぼ50:50のバランスが成立することにもなったのでした。

出典

Astrology
Encyclopedia Brittanica

占星術百科
ジェームズ・R・ルイス著
鏡リュウジ 監訳

錬金術と神秘主義
アレクサンダーローブ著

図➀
BOOK (FACSIMILE), ASTRONOMICUM CAESAREUM, 1540
Cooper Hewitt Collection, Smithsonian Design Museum

インターネットサイト


Wikipedia :
Lunar node
ティアマト
メソポタミア神話

YouTube :
Treasures of the RAS: Astronomicum Caesareum
Royal Astronomical Society
Petrus Apianus’ Astronomicum Caesareum
Daniel Crouch Rare BooksDaniel Crouch Rare Books

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Astronomicum Caesareum from the library of Grand Duchess Maria Nikolaevna of Russia

2021.01.06 デイブフロムショー、3回め!!

東京オリンピックについての予測が、さっそく当たりつつありますね。。

2020.1.22 2回め出演 2020年について占っています

The Dave Fromm Show 1回目出演時の動画はこちら

✶宙星祝屋 若夏✶ そらほぎや わか
星解き家・星術師、2003年プロ活動開始。イニシエート占星術™提唱者/星解きカード®作者。
西洋占星術をツールに、ホロスコープをスピリチュアルな観点から紐解き、日常生活に反映されている宇宙の星々からの影響を解き明かしています。

イニシエート占星術セッションでは、わたし達ひとりひとりに宿った精神体である「魂」と、肉体の主体である「自我意識」を繋ぎ、宇宙とコラボレーションして生きるためのヒントとなる情報を、お伝えしていきます。

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星解きを通して人生を主体的に生きることを提案。

魂とエゴセルフと繋ぐツールとして「イニシエート占星術」を提唱。西洋占星術を魂の成長のための錬金術として扱います。
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